2030年ゴールデンエイジ使命実現!

■□転載します。

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☆2016年12月29日☆
[いじめから子供を守ろう メールマガジン]
■□ 今年を振り返って □■
2016年も終わりとなりました。
本年1年の皆様からの厚いご支援に深く感謝申し上げます。
さて、本年は、数々のいじめ事件が大きな社会問題として取り上げられた年でもありました。
青森市の中2女子いじめ自殺、青森県東北町の中1いじめ自殺、
横浜市での原発いじめ、国立大付属高校でのいじめ重大事態隠蔽事件、
教師までが「菌」扱いしていた新潟市での原発いじめなど、
次々といじめ事件が報道されました。
その中で先週は、いじめや学校事件に関する2件の画期的な判決が言い渡されました。
12月22日に、さいたま地裁川越支部が、約1億4800万円の賠償を川越市と同級生たちに命じました。
これは、埼玉県川越市で2012年、いじめを受けていた当時市立中学2年の男子生徒が、
同級生3人から暴行を受けて重体となり、意識不明になっている事件です。
報道によると、川越市は、「いじめと認識していなかった」、
「男子生徒や母親からいじめを受けたとの報告がなく、いじめを受けていたと認定することは不可能」
などと反論していました。
しかし、裁判所は、「スクールカウンセラーに相談していた」と指摘、
さらに、「少年は、周囲の生徒からいじめによる被害を受けていた」と認定。
「周囲の生徒に事情を聞くなどの調査をすれば容易に知り得た」として、
「学校の教員は少年の生命や身体に重大な危険が生じることを予見できる可能性があったのに
回避するための措置を取らなかった」と結論付けました。
「いじめの相談がないからいじめに気付かない」との言い訳は通用しないという
裁判所の強い意志が感じられます。
さらに同日、大分地裁では、教師の重過失を認定する判決がありました。
大分県立高校の部活中に生徒が死亡した事件で、部活顧問の教師の重過失を認定し、
「大分県は教師に対して、損害賠償金の二分の一を請求するよう」に命ずる判決を言い渡したのです。
法律では、公立学校での事故やいじめ自殺事件等では、
被害者側は、学校を設置した国や都道府県、市町村に対して訴訟すると定められており、
直接、事件に関与した教員個人に責任追及することは認められていないのです。(国家賠償法1条・注1)
そのため、「なぜ、あの教師がまだ教壇に立っているのか」、
「なぜ個人的責任を問えないのか」という不満がくすぶり続けるのです。
ただ、国家賠償法は、不法行為をした公務員に故意や重過失がある場合には、
「国や地方公共団体は被害者側に支払った賠償金を、その公務員に対して請求できる」と規定しております。
そこで遺族が、県はこの規定に基づいて請求すべきだと訴訟し、それが認められたものです。
教師の行為に重過失を認め、賠償を教師に負担させるのは、被害者の立場に立った画期的な判決です。
学校での教師の違法行為を見過ごしてはならないという、裁判所の強い思いを感じさせる判決です。
この流れを見る限り、司法は積極的に学校や教師の責任を認めて、子供たちを守るという方向に向かっています。
一方、教育現場の姿勢は、まだまだ不充分だと言えます。
文部科学省の発表では、2015年度に、全国の公立の小中高校等で、
いじめ隠蔽等で処分を受けた教職員はたった8人しかいませんでした。
しかも8人のうち4人は、訓告処分、つまり単に注意されるだけにとどまっています。
2013年9月に「いじめ防止対策推進法」が施行された以降も、
毎年毎年、何件ものいじめ自殺事件が多発し、
教師のいじめ隠蔽やいじめ放置等が問題となっています。
しかし、報道を見る限り、いじめ自殺で教師が懲戒になったのは天童市の事件だけしか見当たりません。
教職員はいじめに関してはほとんど処分されていないのです。
子供たちを守るためには、「いじめ防止対策推進法」に、「ひどい教職員」に対する懲戒規定を定めることが急務です。
いじめを隠蔽し、放置し、加担する教師、こんな教師に子供たちを見てもらいたくないというのは、親の本音です。
私たちは、いじめに対して真剣に取り組む先生を応援していきたいと思っています。
そのためにも、「いじめ防止対策推進法」には、教師への懲戒が必要です。
いじめ相談も承っております。
何か不安に思うことがありましたらご遠慮なくご相談ください。
最後になりましたが、来年も何卒よろしくお願い申し上げます。
どうぞ、よいお年をお迎えください。
いじめから子供を守ろう ネットワーク
井澤・松井
【注1】 国家賠償法
第1条 第1項  国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、
故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
第2項  前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、
国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
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